Floor Plan of the Special Exhibition:“History of ICU through Its Buildings”
2013.9.10〜11.15

北中牧師



○思い出の場所
・食堂
 エントランスにね、まあ今も何本か残っていますけど、どんぐりの木かな?木がたくさんあって本館から歩いてきて通り過ぎると春夏は、すごく木陰なんですよ。日当たりが悪いと言えば日当たりが悪い。でも涼しいといえば涼しい場所。そして、カラスがどんぐりで遊んでいたり…。そしてエントランスにはちょっとした階段があって、それをちょっと登ると食堂。そこで、少しだべったりするひとがよくいて・・・そんな思い出ですね。食堂のなかは、ハリー・ポッターなどの食堂のように、ばーって(席が)一直線上に広がってるんで、右見て左見て、すぐ、知り合いどこかなって探せるのです。そういうのはよかったですね。
・チャペル
今は、全然いかなくなってしまいましたが、チャペルの特に二階席にばかりわたしは日曜日座っていたので、今でも二階席に登ると結構きゅんとします。二階席は、実は無駄な空間が多くて、左右に、後ろに、遊びスペースがあるんですよ。椅子も入っていないし、けれど窓があってすごく明るい。よく、こどもスペースに使えないかなと思っています。笑 …でも建物って、すごく狭いときはデッドスペースみたいなそういう遊びがない方がもちろん美しいなって思うけれど、あれくらい大きい建物だと、やっぱりなにか遊びがあると、すごく好きです。このスペースはいったい何?みたいなところで、なおかつ日あたりがいいし、なんか日が入って綺麗だし…っていうスペースがあると、なんかすきですね。…学生のときには、未来への不安とか、友達とのけんかとか、なんかいろいろあって、どっか静かなとこ行きたいなぁ、っていうときも、チャペルの一階席より、二階席の方が、隠れ感が強いので、よく二階席に行ってお祈りしたりしていました。ただ現在は、二階席は、使わないようにしています。震災以来、一度安全確認のために使用をやめて、でそのあとはもっぱら節電のために。実際人数的には、二階席を使わなくても、普段の礼拝は大丈夫だから、使わないようにしています
・旧D
「旧Dはね、わりと学生のときから、変な建物だなってちょっと気になっていました。注意してみるとかなりファンキーな建物なんですよ()。建物をぐるーっと一面にバルコニーがついていて、サッシは特注。作り変えちゃったところは、もうオリジナルが手に入らないから、普通のサッシになってしまっていますが、たとえば中庭側とか、二階三階の一部のサッシとかに昔のサッシが残ってて、全部特注なんですよ。設計者が、「こういう風なサッシ入れて」って言ったのに対して製造会社が、「ばかにすんじゃないこんなのガラスが割れるからできないでしょ」って戦ったような経緯があって、入った…。こんな細いサッシで、あんな大きいガラス使うって、やらないでしょ?だから結構ロックな建物なんですよ。そして、やっぱり遊び、のスペースが結構あって、階段登っていってオーディトリアム、と(今はもうトイレがありますが)、やたら広くて、日当たりがいい。やっぱりわたしはああいうスペースに惹かれますね。なんか明るくて、広くて、でもなにをするわけでもないそこにあるスペース。そういうのがあると、建物として、なんかとっても素敵だなあと思いますね。でもまったく使わないわけじゃない、演劇の台詞の練習に使われたり踊りの練習だったり、あそこで立ち話してるひとがいたり…。空間として素敵でも用途は決まってませんっていう場所ががちょこちょこあるのがいいなあって思いますね
 (旧Dの中にある)キリスト教図書室は、わりとよく一人でいって、説教集を読んでいました。旧Dが、ちょっとアバンギャルドな、「ちょっと俺たちアートだぜ」っていう(今でもそんな感じのひとたちはいますが())、でもいまよりももっとそういう雰囲気があって、だからあんまりラウンジとか居づらかったのですが、なんだかんだいってオーディトリアムの公演とかにはよくきていましたから、学生時代のわたしにとって一番なじみのある部屋は、オーディトリアムだったと思います。
(公演の数は)今と同じくらい、あったと思います。特にわたしのともだちで、もう今はプロの舞台監督になってるひとが、クラシックオペラを現代風にしたり、モーツァルトの魔笛をやったり、シェイクスピアをやったりしていました。オーディトリアムの使いたかがそのたび変わって、印象に残っているのは、ロミオとジュリエットやった時に、舞台上に座席を作って、客席はただのデッドスペースになるため、すごく贅沢な使い方ですが、舞台上に、客席をくんで、で、そこでロミオとジュリエットやっていました。あそこ舞台裏の上にバルコニーがあって、緞帳全部下げて、バルコニーを、ジュリエットの邸宅の、ほんとにバルコニーとして使ったり、パーティーのシーンで、搬入のために、スクリーンのうしろに大きい両扉を開けたていました。舞台中に。パーティーのシーンとして。がやがやひとが出たり入ったりそこからしている。でももちろん、ただの平日の夜ですから、ガッキに行く学生とかも通る。それがすごく面白くて、なんか、あぁ、いいなあと思っていましたね。

○今の建物でおすすめの場所
・シーベリーチャペル
シーベリーチャペルは、学生のときより、今の方が好きですね。今より過ごす時間が少なかった。行事があって入る場所なので、ひとりでぼーっとする時間がない。ひとりでいる時間があると思い入れが強いけれど…。ポール牧師主催の国際カフェとかやっていたと思います。最近、学生の数に対して、自由に使える場所が少ないから、以前よりシーベリーチャペルを使いたい人が増えたなと思います。シーベリーチャペルがおすすめなのは、あれ、おかしいんですよ、設計が笑。4つの三角形で構成されているんですね。天井も、部屋もすべて三角形で作られている。天井が少し低めなのも、中庭があるのも面白いですね。だってね、あんな小さい建物でこんなちっちゃいキャンパスで中庭いるのかっていう笑。でも、中庭があるから面白い。建物自体が変わっていて、「これはなぜ?なに?」って考えさせてくれるものっていうのは、人間にとって刺激で、会話ができる建物だなという気がします。シーベリーチャペルは機能で言えば最悪ですよ。
ICUチャペル
基本的に、わたしは古い建物が好きなんです。これはアメリカ留学に行って思ったのだけれど、アメリカの大学の建物のほとんどが、100年単位で、人々が馬車に乗っていたような時代の建物ばかり。その中に、今風の設備のある部屋が入っている。ようするに、箱はいじらずに中をイノベーションしています。すごく落ち着いたし、大学ってどういう場所かというのが誰に説明されなくてもすぐわかる。「ああこの大学は、1800年代からここにあって、大学っていうのは今いるわたしたちだけのものじゃなくて、何代も前から、いつも常に若者がいていろんな新しいことかんがえたり勉強していたんだな」ということが建物だけで伝わってくる。こういうことは、大学という機関ではとくに大事なのではないかと思います。

○これからのICUについて
 たとえば新しい食堂はすごくユニークな建物だと思います。でもそこから、どういう大学を目指しているのを考えられる建物であってほしい。わたしなんかは、新しい食堂で一番不満なのは三つのセクションに分けたことですね。動物的快適さだけを基準にしたらすごく納得がいく。ある人はカフェテリアでゆっくりしたいかもしれないし、ある人たちはグループワークで大きな机が使いたいかもしれないしっていうニーズにこたえていると言われたらすごく納得がいきますが、ニーズではなくて、どんな人間像を育みたかったのかが見たい。建物には。目指している方向性がみたいですね。ICUには、大学として、そういう建物を建てて、学生を迎える義務があると思います。ニーズにこたえるんじゃなくて、「こんな人間関係を、こういう人間交流を目指しているんですよ私たちは」って見せてほしい。

文責 上西
(2014.03.02上西)

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